カイロ 再建より大切なのは
すすで真っ黒になった遺体の顔をぬぐうと、いつも礼拝に来ていた男性だったという。今月中旬、カイロ市内の教会で41人が亡くなる火災が起きた。翌日現場を訪れると、教会の管理人ヨーセフさん(48)が、すすまみれになった手のひらを広げ、当時の様子を語った。...
View Articleチュニス マスク集団に違和感
アフリカ北部チュニジアの首都チュニスで8月、日本主催の「アフリカ開発会議(TICAD)」があった。新型コロナウイルスの感染拡大から2年半以上が経過。日本とアフリカ各国から多くの関係者が集まる中、ひそかに注目を集めていたのが日本の「マスク集団」だ。...
View Articleカイロ 「神」あふれる言葉たち
「神があなたに長い命を与えますように」「神があなたの手を守りますように」「神の恵みがありますように」。これらは全て、エジプトで「ありがとう」の代わりに使われる表現だ。お礼を言われるたびに違うフレーズが返ってくるので面白い。...
View Articleカイロ テヘランからの「声」
9月末、テヘランの「彼女」とようやく連絡が取れた。イランでは同月中旬から、イスラム教徒の女性が髪を覆う「ヒジャブ」の着用を巡り、女性らの抗議デモが続いている。国内ではインターネット接続が制限され、昨年来の友人である彼女とも音信不通になっていた。...
View Articleイラク・バスラ 10年前の彼女の現在
イラク南部バスラを取材で訪れた。目的は約10年前に日本で取材したイラク人女性医師ワサンさん(46)に会うため。花束を持って空港で出迎えてくれた彼女の顔を見て、たまらないうれしさが込み上げてきた。 ワサンさんは2013年、名古屋市の大学病院で研修を受けていた。彼女の専門は小児白血病。文化も風習も異なる日本での研修は大変だったと思うが、医師たちから学ぼうとする熱意がひしひしと伝わってきた。...
View Articleイラク・チバイッシュ 修業不足の携帯と私
イラク南部のチバイッシュ湿地を取材中、沼地のど真ん中で突然携帯電話の電源が落ちた。「携帯電話を冷やしてください」。真っ黒になった画面に、初めて見る赤い警告文が浮かんでいた。頭上の太陽が照り付け、携帯が異常に熱い。「これがイラクの太陽か」と恐れ入った。...
View Articleエジプト・シャルムエルシェイク 脅かされる親日の島
オーストラリア北部、トレス海峡にあるマシグ島。人口約270人の島に住むモスビー君(12)は先月、国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)に参加するため、エジプト東部シャルムエルシェイクにやってきた。父と伯母と一緒に、取材に応じてくれた。...
View Articleカイロ 焼きいも露店で訓練
カイロの路上には、12月を過ぎると焼きいもの露店が現れる。いわゆる「冬の風物詩」というやつで、リヤカー風の荷台に小さな窯を載せ、薪をくべて、いもを焼いている。初めて見たときは「焼きいも文化があるとは!」と感激したものだ。...
View Articleテヘラン イランの中の おしん
「おしんに似ていますね」。タクシー運転手が、バックミラー越しににやりと笑った。絶対に似ていないと思ったが、「そうですか? ありがとう」とお礼を言った。昨年末に訪れたテヘランでは、私が日本人と分かると、多くの人がテレビドラマ「おしん」の話題を振ってきた。...
View Articleイエメン・アデン 布の下には同じ笑顔
取材でイエメン南部アデンを訪れた。住民の大半はイスラム教徒。女性の多くは目以外を隠す黒い衣装「ニカブ」を身に着けていた。せっかくなので、私も滞在期間中はニカブ姿で過ごしてみた。...
View Articleエジプト・シャルムエルシェイク 心の穴 ふさぎがたく
「私の心に黒い穴があいてしまった」。ウクライナ東部出身のイリーナさん(30)が、絞り出すように話した。数年前にエジプト人と結婚し、今はエジプト東部シャルムエルシェイクで暮らす。ロシアのウクライナ侵攻1年を前に、現地で取材したときのことだった。...
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